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【0003】探索・推論
学習目標:第1次ブームで中心的な役割を果たした推論・探索の研究について学ぶ
探索木
探索・推論は、人工知能の第1次ブームで中心的な役割を果たした研究分野です。探索木は、問題の解決策を探索する際に用いられるデータ構造です。探索木では、幅優先探索や深さ優先探索などの探索アルゴリズムが使用されます。
補足:
- 幅優先探索:探索木の浅い層から順に探索を行うアルゴリズム。
- 深さ優先探索:探索木の深い層を優先的に探索するアルゴリズム。
ハノイの塔
ハノイの塔は、探索問題の代表的な例題です。ハノイの塔では、3本の柱と大きさの異なる複数の円盤を使い、一定のルールに従って円盤を移動させ、目標の状態を達成することが求められます。
ロボットの行動計画
探索・推論は、ロボットの行動計画(プランニング)にも応用されます。STRIPSは、ロボットの行動計画を立てるための言語です。SHRDLUは、自然言語による指示に従って積み木を操作するプログラムとして知られています。
補足:
- STRIPS(Stanford Research Institute Problem Solver):ロボットの行動計画を記述するための形式言語。
- SHRDLU:テリー・ウィノグラッドによって開発された自然言語理解システム。
ボードゲーム
探索・推論は、チェスや将棋などのボードゲームでも重要な役割を果たします。アルファ碁 (AlphaGo)は、深層学習とモンテカルロ法を組み合わせることで、プロ棋士を上回る性能を達成しました。
ボードゲームでは、ヒューリスティックな知識を用いて探索の効率を高めることが行われます。Mini-Max 法やαβ 法は、ゲーム木の探索を効率化するアルゴリズムです。一方、ブルートフォースは、全ての可能性を網羅的に探索する手法を指します。
補足:
- モンテカルロ法:乱数を用いてシミュレーションを行い、確率的に最適解を求める手法。
- ヒューリスティックな知識:問題解決のための経験則や近似的な知識。
- Mini-Max 法:2人零和ゲームにおいて、相手の最善手を想定しながら自分の最善手を選ぶアルゴリズム。
- αβ 法:Mini-Max 法の探索を効率化するアルゴリズム。
探索・推論
G検定では、探索アルゴリズム(幅優先探索、深さ優先探索)について理解しておく必要がある。
ゲーム木探索(Mini-Max法、αβ法)の概念を把握することが重要。
モンテカルロ法の理解を深めておく。
【0004】知識表現
学習目標:第2次ブームで中心的な役割を果たした知識表現の研究とエキスパートシステムを学ぶ
人工無脳
知識表現は、人工知能の第2次ブームで中心的な役割を果たした研究分野です。人工無脳は、知識を持たないシステムの限界を示す概念です。イライザ (ELIZA)は、人工無脳の例として知られるチャットボットであり、イライザ効果と呼ばれる現象を引き起こしました。
補足:
- イライザ効果:人がコンピュータを擬人化して感情移入する現象。
知識ベースの構築とエキスパートシステム
知識ベースの構築とエキスパートシステムは、専門家の知識を明示的に表現し、推論に利用する試みでした。マイシン (MYCIN)やDENDRALは、初期のエキスパートシステムの例です。しかし、知識獲得のボトルネックが、エキスパートシステムの限界となりました。インタビューシステムは、専門家から知識を獲得するための対話型システムです。
補足:
- マイシン(MYCIN):感染症の診断と治療を支援するエキスパートシステム。
- DENDRAL:有機化合物の構造を決定するエキスパートシステム。
- 知識獲得のボトルネック:専門家の知識を効率的に獲得することの難しさ。
意味ネットワークとオントロジー
意味ネットワークやオントロジーは、概念間の関係を表現する手法です。is-a の関係、has-a の関係、part-of の関係などが用いられます。Cycプロジェクトは、常識的な知識を大規模に収集・体系化する試みでした。推移律は、概念間の関係の性質の一つです。
補足:
- is-a の関係:概念の階層関係を表す(例:「りんご」は「果物」の一種)。
- has-a の関係:概念の属性を表す(例:「りんご」は「赤い」という属性を持つ)。
- part-of の関係:概念の部分関係を表す(例:「エンジン」は「自動車」の一部)。
- 推移律:AとBに関係があり、BとCに関係がある場合、AとCにも関係がある性質。
知識の獲得と応用
ウェブマイニングやデータマイニングは、大規模なデータから知識を抽出する手法です。ワトソンは、自然言語のQuestion-Answeringに成功したシステムです。セマンティック Webは、ウェブ上の情報に意味的なメタデータを付与する構想です。東ロボくんは、センター試験に挑戦した質問応答システムです。
補足:
- Question-Answering:自然言語で与えられた質問に対して、自然言語で回答を返すタスク。
- セマンティック Web:ウェブ上の情報に意味的なメタデータを付与し、コンピュータが情報の意味を理解できるようにする構想。
知識表現
G検定では、知識ベースとエキスパートシステムについて理解しておく必要がある。
意味ネットワークとオントロジーの概念を把握することが重要。
知識獲得のボトルネックの理解を深めておく。
【0005】機械学習・深層学習
学習目標:機械学習、ニューラルネットワーク、ディープラーニングの研究と歴史、それぞれの関係について学ぶ
データの増加と機械学習
ビッグデータの登場により、機械学習が注目を集めるようになりました。機械学習は、パターン認識や画像認識などの分野で活用されています。レコメンデーションエンジンやスパムフィルターは、機械学習の応用例です。
補足:
- パターン認識:データから一定の規則性を見つけ出すこと。
- 画像認識:画像データから物体や scene などを識別すること。
- レコメンデーションエンジン:ユーザの嗜好に合わせて商品や情報を推薦するシステム。
- スパムフィルター:迷惑メールを自動的に判別し、除外するシステム。
機械学習と統計的自然言語処理
機械学習は、統計的自然言語処理とも密接に関連しています。統計的自然言語処理では、大規模なコーパス(テキストデータの集合)を用いて、言語の統計的な性質を学習します。
補足:
- コーパス:自然言語の大規模なテキストデータの集合。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークは、人間の神経回路を模倣したモデルです。単純パーセプトロンは、初期のニューラルネットワークの例です。誤差逆伝播法は、ニューラルネットワークの学習アルゴリズムとして広く用いられています。
補足:
- 単純パーセプトロン:1層のニューラルネットワークモデル。
- 誤差逆伝播法:ニューラルネットワークの重みを調整する学習アルゴリズム。
ディープラーニング
ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを用いた機械学習の手法です。オートエンコーダは、ディープラーニングの基本的なモデルの一つです。ILSVRC(イルスブルック)は、大規模な画像認識のコンペティションであり、ディープラーニングの発展に大きく貢献しました。
ディープラーニングでは、特徴量の設計が自動化されるため、次元の呪いと呼ばれる問題を回避できます。ディープラーニングは、特徴抽出や一般物体認識、OCRなど、様々な分野で活用されています。
補足:
- オートエンコーダ:入力データを圧縮し、再構成するニューラルネットワークモデル。
- 次元の呪い:データの次元数が増加すると、学習に必要なデータ量が指数的に増加する現象。
- 特徴抽出:生のデータから機械学習に有用な特徴を抽出すること。
- 一般物体認識:画像中の様々な物体を識別すること。
- OCR(Optical Character Recognition):画像から文字を認識すること。
機械学習・深層学習
G検定では、機械学習の分類(教師あり学習、教師なし学習、強化学習)について理解しておく必要がある。
ニューラルネットワークの基本構造(単純パーセプトロン、多層パーセプトロン)を把握することが重要。
ディープラーニングの特徴(特徴表現学習)の理解を深めておく。