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【0001】人工知能の定義
学習目標:人工知能や機械学習の定義を理解する
学習項目:
- 人工知能とは何か
- 人工知能のおおまかな分類
- AI効果
- 人工知能とロボットの違い
詳細キーワード:
(推論、認識、判断、エージェント、古典的な人工知能、機械学習、ディープラーニング)
人工知能とは何か
人工知能(AI)とは、人間の知的な振る舞いをコンピュータ上で実現しようとする技術や学問のことを指します。人工知能は、推論、認識、判断などの人間の知的な機能をエージェントと呼ばれるプログラムで実装します。
推論は、与えられた情報から論理的に結論を導き出すことを指します。例えば、「AならばB」「Aである」という情報から「Bである」と結論づけるのが推論です。認識は、感覚器官からの情報を解釈し、理解することを指します。画像認識、音声認識、自然言語理解などが含まれます。判断は、複数の選択肢から最適なものを選ぶことを指します。意思決定とも呼ばれます。エージェントは、環境を認識し、判断し、行動するプログラムのことを指します。自律的に動作することが特徴です。
補足:
- 推論:与えられた情報から論理的に結論を導き出すこと。
- 認識:感覚器官からの情報を解釈し、理解すること。
- 判断:複数の選択肢から最適なものを選ぶこと。
- エージェント:環境を認識し、判断し、行動するプログラムのこと。
人工知能のおおまかな分類
人工知能は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 古典的な人工知能:明示的なルールや知識を用いて推論や探索を行う手法。例えば、エキスパートシステムや探索アルゴリズムなどが含まれます。古典的な人工知能では、人間がルールや知識を明示的にプログラムに組み込む必要があります。
- 機械学習:データから特徴やパターンを学習し、新しいデータに対して予測や分類を行う手法。教師あり学習、教師なし学習、強化学習などがあります。機械学習では、人間がデータを用意し、学習アルゴリズムを選択しますが、特徴の抽出や予測・分類のルールは、アルゴリズムが自動的に学習します。
- ディープラーニング:ニューラルネットワークを多層化することで、データの特徴を自動的に抽出し、高度な学習を行う手法。画像認識、音声認識、自然言語処理などで大きな成果を上げています。ディープラーニングは、機械学習の一種ですが、特に多層のニューラルネットワークを用いることで、より複雑な特徴を自動的に学習できるようになりました。
補足:
- エキスパートシステム:特定の分野の専門知識をルールベースで表現し、それを用いて推論を行うシステム。
- 教師あり学習:入力データと正解ラベルのペアを用いて、モデルを学習させる方法。
- 教師なし学習:正解ラベルのない入力データだけを用いて、データの構造やパターンを発見する方法。
- 強化学習:行動の結果得られる報酬を最大化するように、試行錯誤を通じてエージェントを学習させる方法。
- ニューラルネットワーク:人間の脳内の神経細胞のネットワークを模倣したモデル。
AI効果
AI効果とは、人工知能によって実現された成果が、一時的には人間の知的な能力に匹敵するかのように見えても、やがて「単なる自動化であり、真の知能ではない」と評価されてしまう心理的な効果のことです。
例えば、チェスや将棋、囲碁などのゲームにおいて、人工知能が人間のトップ棋士を破った際には大きな衝撃を与えました。しかし、時間が経つにつれ、それらは「単なる計算能力の勝利であり、真の知能ではない」と見なされるようになりました。
このように、人工知能に対する私たちの期待や定義は、AIの進歩によって常に塗り替えられていきます。AI効果は、この現象を表した言葉です。人工知能の研究者や開発者は、AI効果を念頭に置きながら、人工知能に対する社会の期待と現実のギャップを埋めていく必要があります。
人工知能とロボットの違い
人工知能とロボットは密接に関連していますが、明確な違いがあります。
人工知能は、人間の知的な活動をコンピュータ上で実現するための技術や学問のことを指します。推論、認識、判断などの知的な機能を実現するための理論やアルゴリズムが研究対象となります。
一方、ロボットは、物理的な実体を持つ機械システムのことを指します。センサーやアクチュエーターを備えており、実世界で動作することができます。
人工知能とロボットの関係は、以下のようにまとめられます。
- 人工知能は、ロボットの知的な部分、つまり認識、判断、制御などを担当するソフトウェアの部分を指します。
- ロボットは、人工知能を実世界で動作させるための物理的な実体を提供します。
ただし、人工知能はロボットに限らず、コンピュータプログラムやクラウドサービスなど、様々な形で実装されます。必ずしもロボットである必要はありません。
人工知能の定義
G検定では、人工知能の定義と分類(古典的な人工知能、機械学習、ディープラーニング)について理解しておく必要がある。
AI効果の概念を理解することが重要。
人工知能とロボットの違いを把握しておく。
【0002】人工知能研究の歴史
学習目標:ブームと冬の時代を繰り返してきた人工知能研究の歴史を学ぶ
学習項目:
- 世界初の汎用コンピュータ
- ダートマス会議
- 人工知能研究のブームと冬の時代
詳細キーワード:
(エニアック (ENIAC)、ロジック・セオリスト、トイ・プロブレム、エキスパートシステム、第五世代コンピュータ、ビッグデータ、機械学習、特徴量、ディープラーニング、推論・探索の時代、知識の時代、機械学習と特徴表現学習の時代、ディープブルー)
世界初の汎用コンピュータ
人工知能研究の歴史を語る上で、世界初の汎用コンピュータであるエニアック (ENIAC)の登場は重要なイベントです。ENIACは、1946年に開発された電子式のコンピュータで、当時としては画期的な性能を持っていました。ENIACの登場により、複雑な計算を高速に処理できるようになり、人工知能研究の基盤が築かれました。
ダートマス会議
人工知能という言葉が初めて使われたのは、1956年に開催されたダートマス会議においてでした。この会議には、人工知能研究の先駆者である、ジョン・マッカーシー、マーヴィン・ミンスキー、ナサニエル・ロチェスター、クロード・シャノンらが参加し、人工知能の可能性と将来について議論されました。ダートマス会議は、人工知能研究の出発点と考えられています。
人工知能研究のブームと冬の時代
ダートマス会議以降、人工知能研究は推論・探索の時代、知識の時代、機械学習と特徴表現学習の時代と、大きく3つの時代に分けられます。それぞれの時代には、ブームと冬の時代がありました。
推論・探索の時代(1950年代〜1960年代)には、ロジック・セオリストやトイ・プロブレムに代表される、簡単な問題を解くプログラムが開発されました。しかし、現実世界の複雑な問題に対処できないことが明らかになり、冬の時代を迎えました。
知識の時代(1970年代〜1980年代)には、エキスパートシステムや第五世代コンピュータなど、知識を活用した人工知能システムが開発されました。しかし、知識の獲得やメンテナンスの困難さから、再び冬の時代に突入しました。
機械学習と特徴表現学習の時代(1990年代〜現在)に入ると、ビッグデータの登場と機械学習の発展により、人工知能研究は再び脚光を浴びるようになりました。特に、特徴量の設計に依存しないディープラーニングの登場により、人工知能は飛躍的な進歩を遂げました。
この時代には、IBMのディープブルーがチェスの世界チャンピオンに勝利するなど、人工知能が人間を超える性能を示す事例が現れ始めました。現在も、人工知能研究は活発に行われており、私たちの生活に大きな影響を与えつつあります。
G検定では、人工知能研究の歴史を理解することが求められます。ブームと冬の時代を繰り返してきた人工知能研究の歴史を学ぶことで、現在の人工知能技術の意義と将来の可能性を見通すことができるでしょう。
人工知能研究の歴史
G検定では、ダートマス会議の意義を理解しておく必要がある。
人工知能研究のブームと冬の時代の繰り返しを把握することが重要。
推論・探索の時代、知識の時代、機械学習と特徴表現学習の時代の特徴を理解しておく。