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【0011】ニューラルネットワークとディープラーニング
学習目標:ディープラーニングを理解する上で押さえておくべき事柄を理解する
学習項目:
- 単純パーセプトロン
- 多層パーセプトロン
- ディープラーニングとは
- 勾配消失問題
- 信用割当問題
詳細キーワード:
(誤差逆伝播法)
単純パーセプトロン
単純パーセプトロンは、ニューラルネットワークの基本的な構成要素であり、複数の入力信号から1つの出力信号を計算するモデルです。単純パーセプトロンは線形分離可能な問題しか扱えないという限界があります。
多層パーセプトロン
多層パーセプトロンは、単純パーセプトロンを多層に重ねたモデルであり、非線形な関数を近似することができます。多層パーセプトロンの学習には、誤差逆伝播法が用いられます。
補足:
- 誤差逆伝播法(Backpropagation):ニューラルネットワークの重みを調整する学習アルゴリズム。
ディープラーニングとは
ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを用いた機械学習の手法です。従来の機械学習と比べて、特徴抽出の処理を自動で行うことができるため、高い性能を発揮します。
勾配消失問題
勾配消失問題は、多層ニューラルネットワークの学習において、勾配が層を通過するごとに指数関数的に小さくなり、学習が進まなくなる問題です。活性化関数の選択やネットワーク構造の工夫により対処します。
信用割当問題
信用割当問題は、ニューラルネットワークの予測結果に対して、各ニューロンやパラメータがどの程度寄与したかを評価することの難しさを指します。モデルの解釈性を高めるための研究が行われています。
ニューラルネットワークとディープラーニング
G検定では、シグモイド関数、ReLU関数の役割について理解しておく必要がある。
誤差逆伝播法の概念を把握することが重要。
勾配消失問題の理解を深めておく。
【0012】ディープラーニングのアプローチ
学習目標:ディープラーニングがどういった手法によって実現されたのかを理解する
学習項目:
- 事前学習
- オートエンコーダ
- 積層オートエンコーダ
- ファインチューニング
- 深層信念ネットワーク
詳細キーワード:
(制限付きボルツマンマシン)
事前学習
事前学習は、ディープラーニングにおいて、ランダムに初期化された重みを、教師なし学習を用いて適切な値に調整する手法です。事前学習により、学習の効率化や性能の向上が期待できます。
オートエンコーダ
オートエンコーダは、入力データを圧縮し、再構成するニューラルネットワークモデルです。事前学習や次元削減に用いられます。
積層オートエンコーダ
積層オートエンコーダは、複数のオートエンコーダを積層したモデルであり、深層の特徴抽出が可能です。
ファインチューニング
ファインチューニングは、事前学習済みのモデルに対して、目的のタスクに適した追加の学習を行う手法です。転移学習の一種であり、学習の効率化や性能の向上が期待できます。
深層信念ネットワーク
深層信念ネットワークは、複数の制限付きボルツマンマシンを積層したモデルであり、事前学習に用いられます。
補足:
- 制限付きボルツマンマシン(Restricted Boltzmann Machine):隠れ層と可視層の間に全結合がある、2層のニューラルネットワークモデル。
ディープラーニングのアプローチ
G検定では、事前学習の意義について理解しておく必要がある。
ファインチューニングの意義を把握することが重要。
オートエンコーダの理解を深めておく。
【0013】ディープラーニングを実現するには
学習目標:ディープラーニングを実現するために必要なものは何か、何故ディープラーニングが実現できたかを理解する
学習項目:
- CPUとGPU
- GPGPU
- ディープラーニングのデータ量
詳細キーワード:
(TPU)
CPUとGPU
ディープラーニングの実現には、大規模な計算資源が必要です。CPUに加えて、GPUを用いることで、並列計算を高速に実行できます。
GPGPU
GPGPUは、GPUを用いた汎用計算のことを指します。ディープラーニングの計算に適しています。
補足:
- TPU(Tensor Processing Unit):ディープラーニングの計算に特化したプロセッサ。
ディープラーニングのデータ量
ディープラーニングは、大量のデータを必要とします。画像や音声、自然言語など、多様なデータが利用されています。
ディープラーニングを実現するには
G検定では、GPUを用いた高速計算の重要性について理解しておく必要がある。
大規模データの必要性を把握することが重要。
【0014】活性化関数
学習目標:ニューラルネットワークにおいて重要な役割を担う活性化関数を理解する
学習項目:
- tanh関数
- ReLU関数
- シグモイド関数
- ソフトマックス関数
詳細キーワード:
(Leaky ReLU関数)
tanh関数
tanh関数は、シグモイド関数と同様に、入力を-1から1の範囲に変換する活性化関数です。勾配消失問題に対して、シグモイド関数よりも頑健です。
ReLU関数
ReLU関数は、入力が0以上の場合はそのまま、0未満の場合は0を出力する活性化関数です。勾配消失問題を緩和し、学習を高速化できます。
補足:
- Leaky ReLU関数:ReLU関数の欠点を補うために、入力が0未満の場合に小さな負の値を出力する関数。
シグモイド関数
シグモイド関数は、入力を0から1の範囲に変換する活性化関数です。伝統的によく用いられてきましたが、勾配消失問題が起こりやすいという欠点があります。
ソフトマックス関数
ソフトマックス関数は、多クラス分類問題において、各クラスへの所属確率を計算するために用いられる活性化関数です。
活性化関数
G検定では、シグモイド関数、tanh関数、ReLU関数の特徴について理解しておく必要がある。
ソフトマックス関数の役割を把握することが重要。
【0015】学習の最適化
学習目標:ディープラーニングの学習に用いられるアルゴリズムである勾配降下法を理解する。そして勾配降下法にはどのような課題があり、どうやって解決するかを理解する
学習項目:
- 勾配降下法
- 勾配降下法の問題と改善
詳細キーワード:
(学習率、誤差関数、交差エントロピー、イテレーション、エポック、局所最適解、大域最適解、鞍点、プラトー、モーメンタム、AdaGrad、AdaDelta、RMSprop、Adam、AdaBound、AMSBound、ハイパーパラメータ、ランダムサーチ、グリッドサーチ、確率的勾配降下法、最急降下法、バッチ学習、ミニバッチ学習、オンライン学習、データリーケージ)
勾配降下法
勾配降下法は、ニューラルネットワークの学習に用いられる最適化アルゴリズムです。誤差関数の勾配を計算し、パラメータを勾配の反対方向に更新することで、誤差を最小化します。
補足:
- 学習率(Learning Rate):パラメータの更新量を制御するハイパーパラメータ。
- 誤差関数(Loss Function):モデルの予測値と実際の値の誤差を定量化する関数。
- 交差エントロピー(Cross Entropy):分類問題でよく用いられる誤差関数。
- イテレーション(Iteration):勾配降下法の1回の更新。
- エポック(Epoch):訓練データ全体を1回処理すること。
勾配降下法の問題と改善
勾配降下法には、局所最適解や鞍点、プラトーなどの問題があります。これらの問題に対処するために、モーメンタムやAdaGrad、AdaDelta、RMSprop、Adamなどの手法が提案されています。また、ハイパーパラメータの設定には、ランダムサーチやグリッドサーチなどの手法が用いられます。
補足:
- 局所最適解(Local Optimum):誤差関数の値が周囲と比べて小さいが、大域的な最小値ではない点。
- 大域最適解(Global Optimum):誤差関数の値が最も小さい点。
- 鞍点(Saddle Point):誤差関数の勾配がゼロになるが、最適解ではない点。
- プラトー(Plateau):誤差関数の勾配が非常に小さい領域。
- モーメンタム(Momentum):過去の勾配の情報を利用して、更新量を調整する手法。
- AdaGrad(Adaptive Gradient):パラメータごとに適応的に学習率を調整する手法。
- AdaDelta(Adaptive Delta):AdaGradの改良版。過去の勾配の二乗和の移動平均を用いる。
- RMSprop(Root Mean Square Propagation):AdaDeltaと同様の手法。
- Adam(Adaptive Moment Estimation):モーメンタムとRMSpropを組み合わせた手法。
- AdaBound:Adamの改良版。学習率の上限と下限を設定する。
- AMSBound:AdaBoundの改良版。学習率の上限と下限を適応的に調整する。
- ハイパーパラメータ(Hyperparameter):学習率やバッチサイズなど、学習前に設定するパラメータ。
- ランダムサーチ(Random Search):ハイパーパラメータの探索に、ランダムにサンプリングを行う手法。
- グリッドサーチ(Grid Search):ハイパーパラメータの組み合わせを網羅的に探索する手法。
- 確率的勾配降下法(Stochastic Gradient Descent):訓練データからランダムにサンプリングして勾配降下法を行う手法。
- 最急降下法(Steepest Descent Method):勾配の反対方向に更新を行う勾配降下法の基本的な手法。
- バッチ学習(Batch Learning):訓練データ全体を用いて学習を行う手法。
- ミニバッチ学習(Mini-batch Learning):訓練データをミニバッチに分割して学習を行う手法。
- オンライン学習(Online Learning):訓練データを1つずつ用いて学習を行う手法。
- データリーケージ(Data Leakage):訓練データの情報が不適切にテストデータに漏れること。
学習の最適化
G検定では、勾配降下法について理解しておく必要がある。
学習率の重要性を把握することが重要。
ハイパーパラメータの調整の理解を深めておく。
【0016】更なるテクニック
学習目標:ディープラーニングの精度をさらに高めるべく考えられた数々のテクニックを理解する
学習項目:
- ドロップアウト
- 早期終了
- データの正規化・重みの初期化
- バッチ正規化
詳細キーワード:
(過学習、アンサンブル学習、ノーフリーランチの定理、二重降下現象、正規化、標準化、白色化)
ドロップアウト
ドロップアウトは、学習時に一部のニューロンをランダムに無効化することで、過学習を抑制する手法です。アンサンブル学習の効果が期待できます。
補足:
- 過学習(Overfitting):モデルが訓練データに過剰に適合し、汎化性能が低下する現象。
- アンサンブル学習:複数のモデルを組み合わせることで、性能を向上させる手法。
- ノーフリーランチの定理(No Free Lunch Theorem):全ての問題に対して最適なアルゴリズムは存在しないという定理。
早期終了
早期終了は、検証データに対する誤差が増加に転じた時点で学習を終了する手法です。過学習を防ぐために用いられます。
データの正規化・重みの初期化
データの正規化は、入力データの分布を正規分布に近づける前処理です。重みの初期化は、ニューラルネットワークの重みを適切な値で初期化する手法です。これらの手法により、学習の効率化や性能の向上が期待できます。
補足:
- 正規化(Normalization):データの分布を正規分布に近づける前処理。
- 標準化(Standardization):データの平均を0、分散を1にする前処理。
- 白色化(Whitening):データの相関を除去し、各次元の分散を1にする前処理。
- 二重降下現象(Double Descent Phenomenon):モデルの複雑さを増やすと、一旦過学習が起こるが、さらに増やすと再び性能が向上する現象。
バッチ正規化
バッチ正規化は、ニューラルネットワークの各層の入力を正規化する手法です。内部共変量シフトを抑制し、学習を安定化させます。
以上が、ディープラーニングの概要に関する学習項目です。ニューラルネットワークの基礎から、ディープラーニングを実現するための手法やテクニックまで、幅広く解説しました。
更なるテクニック
G検定では、L1正則化、L2正則化について理解しておく必要がある。
ドロップアウトの概念を把握することが重要。
バッチ正規化の理解を深めておく。